小説(マンガ化希望)

第34話 白衣をきた哲学者

カツン、カツン、カツン、カツン、、、、。藤依が階段を上がっていく。待ち伏せの気配や罠が仕掛けられている様子はない。薄暗い階段が続いていく。

カツン、カツン、カツッ。3階に到着した。階段の先に古びた扉がある。藤依が扉を開け、現れたのは広い書斎だった。

「ようこそ、我がラボへ。久しぶりだな、藤依。」

「やはり、貴方でしたか。」

肌は褐色、鋭い眼光を放ち、厳かな顔つきをしている。一方、服装は白衣をラフな感じで着こなしている。手元には分厚い本があり、つい先程まで読書にふけっていたようだ。書斎には数え切れないほどの本が整然と収められている。医学書もあるが、文系の本も同じくらいたくさんあった。中でも哲学書が目立った。ソクラテス、ニーチェー、ハイデガー、フーコー、など誰でも知っているような哲学者の著書が並んでいる。異倫は医師であり哲学者でもあった。

「少し老けたんじゃないか。」

「ええ、貴方も。それと以前より顔つきが険しくなったようですが。」

「ふふっ。わからん。」

「上層部と揉めて大学を辞めたと聞きましたが。まさか、こんなところでこんなことをしているとは。“正義云々”と言っていた貴方がどうしてこんなバカげたことを。」

「大学は腐っているから辞めた。誰も私の哲学を理解しようとしない。というより、できないのだ。私は周りから理解を求めるのを辞め、独立することにした。そう、独立国家を作るために。」

「ばかげている。」

「ほら、理解できない。藤依、お前は優秀だと思う。だが、所詮は下等人間なのだ。」

藤依の言葉に、異倫は語気を強めた。

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qqbouzu
地方で救急科医として働いています。