今回はやけどのお話です。医学的には熱傷といいます。老若男女問わず、誰にでも起こりうる怪我ですね。主な原因として火炎、熱湯、化学薬品が挙げられます。
現場でできることといえば、洗浄と冷却です。冷水につけるか流水で流すかして患部を冷やしましょう。どれくらい冷やすかですが、これがなかなか難しく、部位や患者さんの体格によっては冷やしすぎて低体温になることがあります。数分~20分間と言われていますが、こだわる必要はないと思います。
やけどは範囲(面積)と深さ(深度)が大切です。この2つの要因により重症度が決まります。範囲は見ての通りですが、体表面積に対して何%程度あるのかで考えます。簡易的な指標として手掌法というものがあります。これはご自身の手のひら分を1%としてざっくり計算するものです。誤差もありますが、何より簡便なのでよく使われます。
次に深さですが、軽症から順にⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度です。
Ⅰ度:日焼けレベル、表皮までの熱傷。
Ⅱ度:水ぶくれ(水疱(すいほう))ができるレベル、真皮までの熱傷。
Ⅲ度:皮膚が壊死して皮下組織までダメージが届くレベル、皮下組織までの熱傷。
さて、自宅で患部を冷やした後は医療機関を受診しましょう。皮膚が剥けてしまっている場合清潔なタオルなどくるみましょう。タオルが皮膚にひっついてしまって痛い難しい場合はサランラップやアルミホイルを試してみてください。これらは浸出液を吸いませんが皮膚にひっつかなくてよいと思います。指先を多少やけどした程度だとか、10円玉くらいの水ぶくれができた程度なら救急外来は必須ではありません。日中に皮膚科や形成外科を受診しましょう。ただ、痛みがあると思うので、痛み止めが欲しい場合は救急外来を受診しましょう。
救急外来では患部の洗浄、保護を行います。この場合、保護とは皮膚に軟膏を塗布してガーゼで被覆してあげることです。「キズ(創傷)はむきだしにしない」が原則です。その後皮膚や形成外科受診を促されると思います。Ⅰ度~Ⅱ度は1日1回程度のガーゼ交換(洗浄、軟膏塗布、被覆)を繰り返しながら治癒するのを待ちます。Ⅲ度は基本的に手術(壊死組織の除去や植皮など)になります。
もし、なんらかの理由で救急外来を受診できない場合は、上記処置を自分で行うことになります。非医療者が自己流で治療するのは好ましくはないので基本的には医療機関を受診してください。ただ、どうしてもという場合は、薬局でワセリンを買って患部に乗せるように塗り、ガーゼで被覆するようにしてください。ワセリンを直接塗りにくければガーゼに先に塗ってそれを当ててもかまいません。
まとめます。やけどは流水などで数分~20分冷やしましょう。小さい水ぶくれや皮膚が赤くなる程度なら救急外来受診は必須ではありません。やけどの範囲が広いとか、痛みが強い場合は救急外来を受診しましょう。通院する科は多くの場合皮膚科か形成外科です。
最後に、自分で処置する場合の物品を紹介しておきます。1日1回は水道水で患部の洗浄とガーゼ交換をするのが良いと思います。ワセリンは傷を治すというより保護するためのものです。ワセリンなら何でもよいです。抗生剤入りである必要はありません。ガーゼがひっつくと痛いので少し多めに塗りましょう。メロリンガーゼというひっつきにくい加工がされたガーゼもありますが、少し値段が高めになります。ガーゼの量は浸出液の量に応じて増減させます。固定はなんでもよいですが、四肢の場合テープよりは包帯がきれいに固定できておすすめです。
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