子供は大人に比べて経験が乏しく、注意力もないためよくけがをします。転ぶくらいならよいですが、車にはねられたり、高いところから落ちたら大変です。痛くて泣いている子供をみるのはこちらも辛いですね。
子供のけがで特に心配なのが頭のけがです。頭の中で出血していないか。脳は損傷していないか、親にとっては気になります。頭をけがして泣いた後に疲れてぐったりしていると、頭のけがのせいなのか、泣き疲れてしまったのかよく分かりません。
かといって、頭をけがした子供に全例CT検査を行うかといえばそうではありません。それは考えなしの乱暴な医療です。問題にはならない量ですが、CT検査は被曝があります。やってもやらなくても良い、あるいはやる必要がないなら、やらないが正解です。また、撮影したはいいものの子供が動いてしまい、ぶれた画像しか撮れないかもしれません。画像評価はまともにできず、被曝だけしたことになります。
しかし、実際にCT検査をするかどうか悩むこともあります。子供の体格、倒れ方、ぶつけかた、加わったエネルギー、受け身が取れたか、何にぶつけたか(硬いもの、軟らかいもの)、本当に様々です。頭部CT検査を行うべきかどうか、厳密に線引きをするのは難しいです。そのなかで我々はどのようにして頭部CT検査を行うかどうか決めているのでしょうか。
医療の先人たちも同じ悩みを抱え、研究が行われてきました。そうして編み出されたのが”外傷の頭部CTルール”です。PECARN、CATCH、CHALICEという3つが有名です。チェックすべき項目が記されていて、それらをチェックしていくとCTを撮った方がよいのか、撮らなくてよいのか示してくれます。全部紹介すると情報がかなり多くなってしまうのでかいつまんで書きます。私たち医師が気にかけているのは以下のような点です。
交通事故や高所転落のような高エネルギーのけがか |
意識レベルの低下があるか |
診察で頭蓋骨骨折を疑う所見(陥没、特有の皮下出血)があるか |
麻痺やけいれんなど神経の異常を疑う所見があるか |
意識を失っていたか |
増悪する頭痛はないか |
親から見て「何かいつもと違う」感じがあるか |
虐待の疑いはないか |
上記のようなことを参考にして頭部CTの必要性を判断しています。そして、覚えておいていただきたいのは、これらのルールも完璧ではないということです。我々医師の仕事はチェックリストに沿ってやっておけば誰がやっても間違いない、というような単純な仕事ではありません。この頭部CTルールは診療のガイドにはなりますが、100%安全を保障してくれるものではありません。不安を煽るようで恐縮ですが、現代医学の限界です。
患者さんを帰宅させる際には、「帰宅後に具合が悪くなることがあるから、頭痛がひどくなるとか、反応が悪くなったとか、けいれんを起こすなんてことがあれば医療機関を受診してくださいね。」と説明します。そして、それらをまとめた「頭部外傷後の注意事項」というプリントを渡しています。
まとめます。子供はよく頭をけがします。医師は上記の表にあるようなことをチェックしています。子供の顔色も良く、意識もおかしくなければ病院に来てもCT撮影をしたり入院になったりしないでしょう。しかし、親から見て「何か変、いつもと違う」というものがあれば受診した方が良いと思います。頭のけがを見られる病院へ行くのが良いでしょう。救急科もしくは脳外科が良いと思います。たんこぶは皮膚ので出血して限局的に血がたまったものです。自然に吸収されてなくなります。冷たいものを当ててあげると痛みが緩和されてよいでしょう。
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