「ほぅ、俺の前蹴りを食らって倒れないとは。大抵のやつは悶絶してのたうち回るか、内臓破裂ですぐ死ぬかだ。」
「くっ、あいにく、、、だったな、、、。」
「だが勝負はついた。久しぶりに見た強き者よ、おまえはここまでだ。」
甲冑の男が追撃してくる。顔面への打突、手刀、裏拳などを放つ。しかおはよろめきながらそれらをぎりぎりでかわし後方へ逃げいく。反撃の余力は全く無い。
痛い思いをした攻撃に対して人間は恐怖心を抱くものだ。先程の蹴り技はしかおの脳裏にしっかりと染み付いた。本人は意識していなくとも体がそれを覚えている。しかおの体は相手の蹴りを恐れていた。両腕のガードも腹部への攻撃を警戒するあまり下がりがちだ。
しかおは後退するばかりだった。
「やばい、本当にやられてしまう。」
そう思ったその時、「かんっ。」しかおが何かを蹴飛ばしてしまったそのままバランスを崩して転倒する。
からんからんからん。
しかおが蹴飛ばしたのは先程殴り飛ばした甲冑の頭部だった。
尻もちをついてしまい、すぐに立てない。自分のピンチは相手のチャンス。甲冑の男がトドメをささんと殴りかかる。
「うわ、やられる。」
「ぶんっ。」
顔面への直撃を覚悟したしかおだったが、なぜか相手の拳は空を切った。