「俺らの頃は・・・」は禁句にしています。
ジェネレーションギャップはいつの時代も必ずあるものです。価値観の違いによって違和感を感じることがあります。若手の頃に飲み会の場で説教を受けることがありました。本当に嫌でした。だから、飲み会の席で指導まがいのことはしないようにしています。仕事に関して直してほしいことがあれば日中、しらふのときに堂々と言えばいいのです。
私も年を取りました。今の研修医と話していて、時代が変わっているなと感じます。
「時代がお前に合わせるんじゃねー、お前が時代に合わせるんだよ。」
これは、私が若手の頃に説教おじさんに言ってやりたかった言葉です。
さて、とはいえ、、、とはいえです。
最近、研修医に対して「うーん」と思ったことがあったので書かせてください。みなさんはこれを読んでどう思うでしょうか。
救急外来で指の末節部を切断してしまった患者さんがいました。整形外科の先生が呼ばれて処置をしてくれることになりました。どうやら断端形成になるようです。研修医が3人いました。整形外科の先生がやってきて、「これから指の断端形成やるんだけど、やりたい先生いるかな」と研修医に声をかけました。
整形外科の先生の指導下で断端形成できるなんていい経験だなぁと思いました。私が手を上げたいくらいでした。
研修医の先生は、「他にも研修医がいるんですけど、やりたいかな。他にやる人がいなければ僕がやりたいです。」
むむっと思いました。
ホカニヤリタイヒトガイナケレバボクガヤル？
せっかく好意で手技のチャンスを作ってくれた整形外科の先生に失礼だと感じてしまうのは私だけでしょうか。整形外科の先生は自分でやったほうが2倍も3倍も、いや、5倍くらい早いです。
研修医同士、喧嘩はして欲しくないですが、チャンスは奪い合いです。貪欲にチャンスを掴みにいって欲しいと思います。
その研修医はやる気がないようには見えませんでした。悪気はないし、きっと優しいのでしょう。
私が研修医の頃は（あっ、言ってしまった）、手技は奪い合いでした。どんぐりの背比べですが、他の研修医が自分より先にCVを入れさせてもらっているのを見るとなんだか焦りに似た感情が沸き起こったものです。雰囲気は悪くなかったですが、「あいつはもう内視鏡やらせてもらってる」とか「胸腔ドレーン入れた」なんて情報が入ると、自分も負けていられないと思いました。
もちろん、説教はしませんでした。時代も育ちも違うのでしょう。
「他にやる人がいなければやります。」
この返事に対して皆さんはどう思うでしょうか。
私はもっと貪欲にいけよ！そりゃ上級医に失礼だよ！という立場です。
